ポルトガルの料理2

ポルトガルの料理2


 西洋料理の一種であるポルトガル料理は、他の欧州各国の料理と同じように、第一の皿と第二の皿とに分けて呈されることが普通である。
イタリア料理におけるパスタやリゾットのように、もっとも一般的なポルトガル料理の第一の皿はスープが相当する。そのスープも圧倒的に多いのがcouveを使った煮込みである。couveはアブラナ科でキャベツやブロッコリの仲間であるが、濃い緑色の葉っぱを食べる。あまりその名前は知られてはいないが、日本語ではコラードという英語名を使うことが多いようだ。
中心的なレシピは、千切りにしたcouveの葉に、玉ねぎやニンジン、キュウリやほうれん草などといっしょに煮込んだもので、ピューレ状になるまで火を通して漉したポタージュや、短時間であっさりと仕上げたものなどがある。味付けは塩にオリーブ油や酢を加えて調味するのが一般的だ。
 第二の皿にもcouveは重要な役割を果たす。ポルトガル風シチューのcozido á portuguesaは、couveを始めとする野菜類をよく煮込んだスープをベースに、じゃがいもやポルトガル風ソーセージchouriçoやベーコンなどを加えたものがベースになっており、これはポルトガル全土でその土地ならではのレシピが存在している。豆類を加えたり、卵を落としたり、肉や魚を加えたり、千差万別といっていい。加える肉はいっぱんに豚肉だが、鶏肉を入れる地方もあるし、これらがブラジルに渡ってフェイジョアーダの原型となっている。
 第二の皿で忘れてはならないのは魚介類で、ポルトガルでは日本と同様にタコも食す。まるでスルメのように足を伸ばして干されたタコが店先に吊るされているなど、興趣に富む。けれど一般にもっとも口にする機会が多いのはイワシとタラで、前者は丸々と太ったものを炭火焼にして塩味だけであっさりと食べるが、後者は実に様々なバリエーションで数多くのレシピとして登場する。
 タラは冷たい海で獲れる魚であり、ポルトガルへは古来より主に塩漬けのものが食べられている。これの塩抜きをして、身をほぐして卵でとじたような食べ方をしたり、衣をつけて文字通りテンプラのようにして食べたり、トマトソースで煮込んだり、あっさりとスープで煮付けたり、元々が淡白な魚であることでもあって、調理法のバリエーションのおかげで同じ魚を食べ続けていても飽きがこない。
 このほかにもムール貝やあさりなどを始めとする貝類も多く食べられるし、西洋料理の中でも魚食の比率が高いことと、比較的シンプルな味付けであることなどから、ポルトガル料理は日本人の口に非常にあう料理の一つであるといえよう。

ドイツ語の電子辞書

ドイツ語の電子辞書
 
 外国語の翻訳をするにあたって不可欠の用具の一つが辞書です。語学辞書とりわけドイツ語辞書といえば、日本では明治以来のドイツとの特別な関係から多くの辞書が作成されドイツ語の学習と研究や実務に役立って来ました。これらの辞書は現在でも、私たちが普通に「辞書」という言葉を用いるときにイメージする紙媒体に乗った分厚い書物の形を取っているものが、なお主流であるといってよいでしょう。 
 しかし近年の情報技術の目覚ましい発展の中で辞書の世界にも電子化の波が押し寄せており、これが、私たちのドイツ語学習や翻訳を含むドイツ語を用いた活動にいろいろな影響を与えています。日本で現に使用されている電子媒体に乗った辞書というと、需要の多さの点から、英語辞書や国語辞書それに語学辞典とは異なりますが百科事典類が主流をなすことになりますが、しかし最近ではドイツ語辞書の世界でも、英語や国語ほど多数ではなくても本格的な電子辞書が現れ私たちの使用に供されています。 
 電子辞書にはいろいろなものがありますが、ここでは大きく二つのタイプに分けてお話してみたいと思います。ひとつは辞書ソフトを組み込んだ専用の「辞書機械」ともいうべきもので、普通に電子辞書というとこのタイプのものを指します。もう一つはもともと紙媒体による普通の意味での「ドイツ語辞書」の内容を電子データ化してパソコン上でデータベースソフトとして使用できるようにしたもので、現在ではソフトウエアの形で独立に販売されているもの、あるいは、紙媒体の辞書に「付録」として添付されているものの二つの形がありますが、これは購入形態の違いであって使用にあたっての区別はありません。 
 前者のハードそのものが辞書専用に作られた電子辞書は携帯用として小型・軽量に設計されているので、学生諸君の通学やあるいは旅行に持ち運ぶのに適しています。このようなコンセプトから電子辞書というとこれまで市場に出回っていた多くの機種は、初学者用や旅行会話の補助用として比較的内容の簡単なものが多かったのですが、最近ではやや本格的な辞書ソフト(多くは電子辞書用に独自に作られたものではなくもともとは書籍としての辞書のために編集・作成されたもの)を組み込んだ、上級者・プロ向けのものも出回るようになりました。この種の電子辞書は携帯用として作られたもので自宅外に持ち出して使用するのに適しています。しかし、一般に画面のサイズがノートパソコンに比べるとかなり小さく、多くの情報を一覧するには適していないといえます。この点からすると、技術の進歩により大容量の本格的な辞書ソフトを搭載できるようになっても、その使い勝手には一定の制約がかかることは否定できません。紙の辞書であれば一覧できる見開き両ページ分を一度に画面上に表示させることが困難になるからです。 
 これに対して後者のタイプの電子辞書はパソコン上にその内容を表示させることになりますので、専用機による辞書内容の表示のような制限は大幅に緩和されます。一般に翻訳に用いる辞書に必要とされる内容は、学習辞書や海外旅行用の簡単な内容の辞書では間に合わず、大型のものを必要としますので、このタイプの方が適しているといえます。また、自宅外に持ち出すこともノートパソコンを使えば可能です。たとえ小型ディスプレーのパソコンでも専用機による辞書よりは大きな画面のものであれば、多くの内容を同時に表示させる際の不自由は小さくなります。 
 いずれのタイプによるにせよ電子辞書の大きなメリットは、引くための時間が大幅に短縮できること、類義語・関連語を続けてすぐに参照できること、また、ソフトにもよりますが逆引きが可能なこと、等にあり、紙の辞書にはまねのできないすぐれた特質をいくつも持っています。ただし、実務的な文書の翻訳時に往々にして必要となる専門分野に特化した多くの種類の辞書は、残念ながらいまだ電子化されておらず、従来型の書籍辞書に頼らざるをえません。ここしばらくは、電子辞書と紙の辞書の両者を必要に応じて使い分けてゆくことになりそうです。辞書が電子辞書に一元化されることがあるとしても、それはまだかなり先のことでしょう。

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